香りの散歩道


昭和の匂い


墨絵・朝野泰昌

山陰の湯村温泉を舞台にした、昭和の名作ドラマ『夢千代日記』。

吉永小百合(よしなが・さゆり)さんが、広島で胎内被爆した主人公を演じたこの作品は、第1話が放送されて37年経った今も、多くの人に愛されています。

脚本を手がけた早坂暁(はやさか・あきら)さんは四国の松山出身で、自伝的なドラマと言われた『花へんろ』は、『夢千代日記』と並ぶ代表作となりました。

早坂さんが生まれ育ったのは、八十八カ所を巡礼するお遍路さんをお接待するまち。
そして、戦時中は、海軍兵学校からふるさとに帰る途中、原爆投下直後の広島を目の当たりにしたそうです。

こうした経験から生まれた作品を通して、平和への遍路道を歩き続けた早坂さんは、昨年、88年の生涯を終えられました。
今、ふるさとの松山にある北条(ほうじょう)ふるさと館では、「ありがとう早坂暁さん〜昭和とは どんな眺めぞ 花へんろ〜」と題した追悼展が開催されています。

昭和とは どんな眺めぞ 花へんろ

これは、ドラマ『花へんろ』シリーズの冒頭で、語りを務めた渥美清(あつみ・きよし)さんが詠んでいた早坂さんの句です。
松山の追悼展は今月の30日まで。
そして、山陰・湯村温泉の夢千代館では、『夢千代日記』のドラマの舞台が再現されています。

昭和の匂いがする早坂作品の世界を、みなさんも旅してみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

9月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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