突然ですが、漢字の問題です。
木へんに春と書いて「椿(つばき)」、木へんに夏と書けば「榎(えのき)」。
では、木へんに冬と書くのは、何木でしょうか?
さっぱの先がギザギザで、一年中つややかな緑をたたえている木。
そう、答えは「柊(ひいらぎ)」です。
秋から冬にかけて香り高い花を咲かせるのですが、それもそのはず、日本の柊は金木犀や銀木犀と同じモクセイ科の常緑樹です。
『柊の指さされたる香(かおり)かな』
大正生まれの俳人、石田波郷(いしだ・はきょう)が柊の花を詠んだ句です。
鋭いトゲのような葉っぱと、強い香りを放つ柊の特徴が、まっすぐに伝わってくるようですね。
『柊の指さされたる香かな』
白い花を咲かせた柊に近づくときには、甘い香りの虜になるかもしれませんから、どうぞ気をつけてくださいね。
ちなみに、クリスマスの飾りに使われる赤い実をつけたヒイラギは、セイヨウヒイラギと呼ばれています。
日本の柊はモクセイ科なのに対して、こちらはモチノキ科。
全く別の植物ですが、どちらも葉っぱがギザギザなので、古くから厄除けや魔除けのチカラがあるといわれてきました。
木へんに冬と書く日本の柊と、クリスマスを彩るセイヨウヒイラギ。香りを比べてみるのも面白そうですね。
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