香りの散歩道


「タルガニン・アルガンオイル」 


墨絵・朝野泰昌


 モロッコのサハラ砂漠だけに生育しているという不思議な木、アルガンツリー。

たとえば7年間、一滴も雨が降らなくても枯れないという、たくましい木です。

その種子から作られるアルガンオイルは、ヨーロッパの一流シェフたちをうならせる良質な料理用オイル。

そのまま肌に塗れば、美肌をつくるスキンケアオイルにもなり、美容と健康に敏感な日本の女性たちにも注目されはじめています。

モロッコでは伝統的なこのオイルは、田園地帯に暮らす女性たちによって手作りされてきました。
それが世界的に知られるようになったのは、タルガニン生産協同組合の設立によって、良質なオイルを安定的に生産できるようになったことでした。

タルガニンの目的は、燃料や開墾のため過剰に伐採され、消えつつあるアルガンツリーの森を保護して、砂漠化を食い止めること。
そして、オイルづくりを地域産業に育てることで、働く女性たちの生活環境を向上させることでした。

 こうして作られたタルガニン製のアルガンオイルは、2001年にイタリアのスローフード大賞を受賞。ヨーロッパから世界へと、またたく間にその名が広まっていきました。

太陽の光をいっぱいに浴びた、木の実の香ばしい香りがする黄金色(おうごんいろ)のオイル。
砂漠で生まれた味と香りを、皆さんもお試しになってみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週木曜日に日本海新聞で掲載しています



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